お墓の水垢やコケをきれいに掃除する方法とは?


いつもちゃんと掃除しているつもりのお墓も、ふと「この掃除の仕方は正しいの?」「もっときれいにする方法はないの?」と疑問に思うことはないでしょうか。
ここでは、墓地の環境によってだんだんと蓄積されていく水垢やコケ、サビ、木のアク・・・時間の経過とともについてしまう汚れを、自分で落とす掃除の仕方をご紹介していきます。
 
 

■お墓掃除のためのおすすめの洗剤と掃除道具

〇おすすめの洗剤

墓石は、身近な食器用洗剤などでの掃除直後はすっきりしたように見えるかもしれませんが、時間が経つとシミや変色が出てきます。またカビなどを落とそうと、塩素系・酸性の洗剤を使うことも変色やシミを引き起こす原因となります。
では、自然派の掃除用洗剤として人気の重曹はどうでしょうか?
重曹は研磨作用がありますが、水垢を落とすことには向いていません。ただしホコリなどがこびりついている場合は、重曹による研磨で落とすことが可能です。ただし墓石の材質によっては傷がついてしまうこともあるので、見えにくい場所で試してみて、大丈夫であればこびりついた汚れを落とすにはいいでしょう。
一番スムーズなのは、墓石専用洗剤を使うことです。
ただしすすぎをしっかり行わないと、ツヤがなくなってしまったりシミができてしまうこともありますので注意しましょう。
 

〇おすすめの掃除道具

細かいところを掃除するのには歯ブラシがおすすめです。また水垢を取るにはスクレーパーがおすすめですが、慎重に使わないと墓石を傷つけてしまうことがあります。
高圧洗浄機での洗浄で落とすことができますが、風化が進んでいる墓石の場合は、その圧力で石が削られてしまうこともあるのでよく確認し、あまり古い墓石の場合はプロの手を借りるのが安心でしょう。
通常の汚れ程度の場合は、スポンジ・歯ブラシ・雑巾とゴミを入れる袋を用意するといいでしょう。硬い素材よりも、柔らかいもので洗った方が傷がつかず安心です。よくタワシを使う人がいますが、避けた方が無難です。
また、墓石に水をかけて洗う時に、バケツの水を直接かけるのは大変なので、空いたペットボトルなどを用意しておくと便利です。
『墓石掃除セット』は、洗剤やブラシなどがセットになった便利なもので、色々と買い集める必要がないのでおすすめです。
 
 

■墓石の蓄積された汚れを取る方法とは

〇水垢・コケ・カビの取り方

水垢は、墓石のつなぎ目に付きます。水拭きで取れない場合は歯ブラシでこすり、それでも取れない場合は表面を水で濡らしてから、スクレーパーを使って汚れをそぎ落とします。墓石の面に均等に力をかけてこすらないと、刃の角で墓石を傷つけてしまうことがあるので気をつけましょう。
スクレーパーは、表面がつるつるしている「鏡面仕上げ」の墓石の場合は、力を入れすぎないかぎり角で傷がつくことはありませんが、表面が滑らかになっていない「バーナー仕上げ」の墓石だと石が削れてしまいますので、使う時には表面をよく確認しましょう。
コケやカビの場合も、水拭きと歯ブラシでこすり取りが基本です。層になって付着してしまっている場合など、取りにくいコケは、スクレーパーでそぎ落とします。
暖かく湿った環境の墓地の場合、掃除をしてもまたコケが発生する可能性が高いので、お墓参りの際には水拭きと乾拭きをするなど、湿気対策をするといいでしょう。
なかなか取れないカビは、高圧洗浄機などで洗い流すのがおすすめです。
コケ・カビ専用の洗剤も売られていますが、使用することのできない墓石もあるのでよく確認してから使用すると安心です。
 

〇文字彫刻の汚れを取る方法

文字彫刻は、汚れが目立ちやすく、溝があるので昆虫などが巣を作ってしまうこともあります。文字の大きさに合わせたブラシを使用して、隅々まできれいに汚れを落としましょう。
基本的には、歯ブラシに水をつけてこすれば落とすことができますが、ごしごしこすっているうちに石が欠けてしまうこともあるので、慎重にブラシをかけるといいでしょう。
 
 

■プロに任せた方が安心な汚れは


表面を磨きあげていない墓石の場合は、汚れがこびりつきやすく、また落としにくくなっています。
また古い墓石の場合は、スクレーパー・高圧洗浄機・洗剤など、どれを使っても傷がついたりシミになったりする可能性が高いので、石屋さんにお願いするといいでしょう。
その他に、石材に含まれる鉄分が水と反応してサビがついてしまった場合や缶などをお供えしていてサビがついてしまった場合、木材が墓石に密着した状態で水分を含み、出た汁によって茶色く変色した場合、鳥の糞などが付着して色が染み込んでしまった場合、アルコールによる変色などの場合は、薬品を使用して除去しなくてはならないためプロのクリーニング業者にお願いした方がいいでしょう。
プロであれば、薬品を使っても一度で落ちない場合は何度か繰り返して少しずつ汚れを抜くなどの作業をしてもらえます。また業者によってはコーティング加工をしてくれるところもあるので、古い墓石の場合は今後の掃除のしやすさを考えてコーティングを依頼するのもおすすめです。
 
 

■汚れをこびりつかせないために

せっかくきれいになったお墓ですが、普段のお参り方法や掃除の仕方が間違っていては、すぐにまた汚れがこびりついてしまいます。汚れがこびりつかないようにするには、馬毛刷毛などで水をかける前によく汚れを取り払うことが大切です。
墓石には、細孔という細かく小さな穴があいていて、その穴から汚れた水が入り込むことでお墓が黒ずんでいく原因になります。石は水を吸い込む材質なので、水をかける前にしっかりと刷毛でほこりを取って、汚れた水が入り込まないようにすることが大切です。
水垢は、汚れた水が石に入り込んで水だけ蒸発した状態が何年も続いた結果なので、お墓掃除のときには必ず水をかける前にほこりを払うようにしましょう。
また故人が好きだったからとお墓にお酒をかける人がいますが、お酒はカビの原因になりますので、かけないように気を付けましょう。
お供え物の缶などでサビついてしまうこともありますので、お供え物は持ち帰るなど、ひどい汚れがつかないように普段から気を付けることで、墓石をきれいに保つことができます。

墓じまいアドバイザー 鈴木 心

墓じまいアドバイザー歴18年
改葬・離檀など墓じまいについてのご相談はお任せください。
数多くの経験に基づいて適切なアドバイスをさせていただきます。

墓じまいをされた方のレビューのご紹介やこれから墓じまいをされる方やお寺とのトラブルでお悩みの方へ少しでもお役に立てればと思い、「わたしたちの墓じまい」にて記事を執筆させていただいております。

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