■線香の深い意味
お線香の深い意味を知れば、お墓参りに欠かせないものであることがわかります。まずお線香の正しいあげ方の前に、3つの役割をご紹介いたしましょう。
1、亡くなった方にとっての食べ物
お線香の香りは、故人の食事代わりになると考えられており、「人間は死後、次の生を受けるまで線香の香りを食べる」という説があります。
そのため、香り・質のよいお線香をあげることで、故人の新しい魂への思いを伝えることができるのです。
2、自身・周囲の清め
線香の香りや煙で自分の心身や周囲の場を浄化できるとされています。故人に挨拶する前に俗世で汚れた心と体を一掃し、故人と向き合う準備ができるのです。
3、想いを伝える
お線香をあげることで、香りや煙を通して仏様となった故人とお話をする場ができます。心と体を清めた後に仏様と向き合い、最近の出来事や生前に話したかった事など、ご自身の想いをゆっくりと伝えましょう。
このように、お線香の意味を知ることで、形だけではなく心を込めてお供えをすることができ、故人との大切な時間となるのではないでしょうか。
■お墓参りでの線香のあげ方
お墓参りでお線香をあげるときに、知っておくとよいポイントがあります。
◯線香の本数
お墓参りの線香の本数は各宗派によって異なり、以下の通りとなります。
宗教 | 本数 |
天台宗 | 3本 |
真言宗 | 3本 |
浄土宗 | 1~3本 |
浄土真宗 | 1本 |
臨済宗 | 1本 |
曹洞宗 | 1~3本 |
日蓮宗 | 1本 |
本数だけでなく、寝かせて供えるなどの作法がある宗派もあります。お線香は故人への供養ですから、堅苦しく考えなくてもよいのですが、気になる場合はお寺などに確認するとよいでしょう。
■お墓だけでなく、家庭でもお線香を
お線香はよい香りなだけでなく、さまざまな意味を持っています。その意味を理解して拝んでみると、いつものお墓参りもまた違ったものになるでしょう。
ライフスタイルの変化により、頻繁にお墓参りや大きな仏壇での供養がしにくくなっている現代。それでも故人を悼む気持ち、残された者の寂しい気持ちはいつになっても変わりません。
よい香りのお線香を通して、日常的に故人と語り合う時間があれば嬉しいですね。