お墓参りでやってはいけないマナーとは


何気なくしているお墓参りですが、してはいけないことがあるのをご存知ですか?
自分では問題ないと思っていても、実は間違えていて、マナー違反になっていることもあります。
ここではお墓参りでやってはいけないことを、詳しくご紹介していきます。
 
 

■気になるお墓参りの作法

〇いつお墓参りに行くのがいいのか?

お墓参りは、行きたい時に行けばよいので、いつ行けばいいかは特に決まりがありません。一般的には、お盆・お彼岸・年末・命日・月命日などに行くのがよいとされています。
時間帯としては、一般的に午前中~昼くらいがよいとされています。それは、昔は夕方の薄暗い時間帯は「逢魔が時」といって、魔が出やすい、霊がつきやすいという迷信があったためです。
 

〇お墓参りに行く服装は?

法要がある場合は喪服でのお参りになりますが、そうではない場合は普段着で構いません。
ご先祖様にお参りして敬意を表し、故人を偲ぶためのお参りですので、肌が露出した服装や華美な服装は避けた方がいいでしょう。足元も、ビーチサンダルのようなものは避けましょう。
 
 
 

■お墓参りでやってはいけないこと

〇本堂に挨拶をしない

お墓がお寺にある場合、ご先祖様のお墓に行く前に本堂にご挨拶に行くのがマナーです。
本堂のご本尊にお参りをしてから、住職にご挨拶をして、お墓に向かいましょう。お布施やお供えなどを用意して持っていきます。
 

〇お参りの前に掃除をしない

お参りの前にまずは掃除をしましょう。雑草を取り、墓石を磨きます。花立などの金属製品も洗い磨きするといいです。
最後に水をかけて洗い流します。この際、お墓の上から水をかけるのは失礼という人と、かけてもいいという人に分かれます。どちらも間違いではないのですが、もし親戚や年配者と一緒に行くのであれば、同行する人に合わせるのが無難です。
ただし、故人が好きだったからと言ってお酒をかけるのは、墓石を傷める原因になりますので、くれぐれも避けましょう。
 

◯線香やろうそくの炎を吹き消す

線香の火やろうそくの炎を口で吹き消すのは、「穢れる」と言われています。仏教では、人間の口は悪行を積みやすいため、その口から出た息は穢れたものと考えられているのです。
そのため、ご先祖様を供養するための線香やろうそくに穢れがつかないように、口では吹き消さず、線香やろうそく自体を振って消すか、手であおいで消しましょう。
 

〇墓地で走ったり騒いだりする

墓地は、死者が眠る神聖な場所ですので、走ったり騒いだりすることはふさわしくありません。また、他の人もお参りに来ているのでうるさくするのは失礼になります。特に小さい子供にとっては、墓地は広くて公園のように見えてしまいますので、注意しましょう。
「お墓で転んだらあの世に連れていかれる」といった迷信が残っている地域もあります。少し怖いですが、子供が墓地で走らないようにするためと、昔は墓石がしっかりと接着されておらず、ちょっとしたことで崩れる可能性があったために、このような戒めが伝えられたとされています。
また、大きな声を出したり騒がしくすると、故人を亡くしたばかりなどで深く悲しんでいる人がいた場合、反感を持たれてしまいます。墓地は、たくさんの家のご先祖様が眠る大切な場所ですので、子供だけではなく、大人も騒がしくしないよう気を付けましょう。
 

〇お供えを置いていく

最近は「お供え物は持ち帰りましょう」と書かれている墓地が多いため心配ないと思いますが、お供え物を置いておくと、カラスがきたり、地域によってはシカ・キツネ・イノシシなどの野生動物がお墓を荒らしてしまいます。
缶の飲み物を置いたままにしておくと、墓石にサビがうつってしまいますし、ビンの飲み物を置いたままにしていて落ちた場合、墓石に傷がついてしまうことがあります。こぼれた中身でシミがついたり、虫や動物が寄ってきてしまうこともあります。
また、お供えの花を置いていくと、花立からボウフラがわいてしまったり、腐った茎などが墓石にこびりついてしまうことがあります。
お供え物は、ご先祖様と分かち合うことで精神的連帯を強めるという意味もあるので、持ち帰ってみんなで食べるのが正しい供養となります。
 

〇タバコのお供え

ヘビースモーカーだった故人のために、タバコをお供えするという人もいるでしょう。しかし、ご先祖様全員が喫煙者とは限りませんし、周りの人や他家のお墓にも迷惑が掛かりますので、火をつけることはしないようにしましょう。
 

〇お供えの花の種類

仏様にお供えする花として、トゲがある・毒がある・ツルがあるものはふさわしくないため、いくら故人が好きな花でも持って行かないようにしましょう。
 

〇他のお墓にお参りする

他家のお墓にむやみに近づくのはマナー違反です。
物を立てかけたり、手をかけたりすることもよくありません。ペットを連れて行く人がいますが、その場合も抱いて下ろさないようにしたり、他家のお墓の敷地内には絶対に入らないようにする配慮が必要です。
他家のご先祖様が供養してほしくて頼ってきてしまう、とも言われます。もし、お友達のお墓や、有名人のお墓などがある場合は、手を合わせず、会釈だけにしておきましょう。
 
 
 

■お願い事は神様に


お墓参りに行くと、ついついお願い事をしてしまう人が多いのではないでしょうか。しかし基本的には「お願い事は神様に」、そして「ご先祖様には、成仏浄化を唱える」のがふさわしいとされています。
墓石よりも低い位置にしゃがんで、「私たちは心配ありませんので、あの世の修行をしっかりやってください」と唱えて、故人とご先祖様を供養しましょう。

墓じまいアドバイザー 鈴木 心

墓じまいアドバイザー歴18年
改葬・離檀など墓じまいについてのご相談はお任せください。
数多くの経験に基づいて適切なアドバイスをさせていただきます。

墓じまいをされた方のレビューのご紹介やこれから墓じまいをされる方やお寺とのトラブルでお悩みの方へ少しでもお役に立てればと思い、「わたしたちの墓じまい」にて記事を執筆させていただいております。

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