お墓にお供えするお花のマナー


子どもの頃は、なんとなく親に着いていき、なんとなく見よう見まねでしていたお墓参り。
大人になり、いざお墓参りに行くとなると、何から準備をしていいものなのか意外とわかりません。
そこで、気になるのは「お墓の供えるお花」について。どうような花を選べば良いか、供える花に決まりはあるのかなど、考えれば考えるほど疑問が湧いてきますよね。
今回は『お墓に供えるお花のマナー』についてご紹介します。
 
 
 

マナーや決まり

お墓にお供えする花のことを、仏花(ぶっか)といいます。
仏教では、「お香」「お花」「灯燭」「飲食」「浄水」の5つを仏様に供えるとよいとされ、花はとても大切な存在となっています。
 

1、供え方

仏花は左右1対で飾るのがマナーで、花の本数は3本、5本など奇数で準備します。花立がないお墓の場合は、横に寝かせてお供えするのが一般的です。
お花の向きは仏様に見てもらうようにお墓に向けて・・・などと思ってしまいますが、お供えしている私たちの方に向けます。これは、お花を見てきれいな心で拝礼してくれると仏様も喜ぶ、ということが関係しています。
 

2、お供えするお花の種類

「これでなければならない」という決まりごとはありません。一般的に仏花として多く使われているのは菊です。
菊が好まれる理由として、季節を問わず、香りは邪気を祓うと言われ、また花持ちがとてもよく水はけも良いためです。
菊のほかにも、下記の種類のお花がよくお墓に供えられます。
・カーネーション
・小菊
・輪菊
・春:アイリス・金仙花
・夏:キンギョソウ・リンドウ・グラジオラス・ケイトウ
法事などで使用する、豪華なものをお探しの場合は、すかしユリや鉄砲ユリ、大きめの菊などが入ると見栄えがよく花束も大きくなります。
色は5本だと白・赤・紫・ピンク・黄色をメインに、3本だと白・紫・黄色が良いとされています。ただし、故人が亡くなってからあまり時間が経ってない場合は、淡い色や白い色の花束がふさわしいとされています。
 

3、お供えの花に使ってはいけないもの

散りやすい花や傷みやすい花は避けた方がよく、ほかにも毒のある花、棘のある花、香りがきつい花は適しません。そのためバラは、お供えには避けた方がいい花です。
 

4、お花の片付け

お花は定期的に片付けるのがマナーです。近いうちにお花を換えに来ることができる場合はいいですが、遠くからお墓参りに来ていて次回までしばらく来ることができないという場合は、お参りを終えたらそのままお花を持ち帰る方がいいでしょう。
そのまま置いておきたい気持ちもありますが、手入れができないまま虫がたんさん寄ってきたり枯れてしまったりすることを考えると、持ち帰ることがベストです。
お墓の管理をしているところでお花の手入れや片付けを行ってくれるところもあるようなので、確認してみてください。
また、持ち帰ったお花を家にある仏壇などにお供えすることはNGです。1度ご先祖様に差し上げたというお供え物なので、もったいない気もしますが処分しましょう。
 
 

お供えするお花の値段は?

お彼岸やお盆など、お墓参りの時期になるとホームセンターやスーパーなどで見かけることができます。
仏花として束ねられたものは相場として、1対おおよそ500円~1000円です。お花屋さんでオリジナルの花束を作ってもらう場合は、1対1000円~が相場となっているようです。
どこで買うのが良い悪いということはないので、ご自身の予算や好みで選ぶことをおすすめします。

 
 

おわりに

お墓参りにお供えするお花についてご紹介しました。必ずしも守らなければいけないことではないので、故人の好きだったお花や色を持ち寄り、お参りをすることも良いでしょう。
地域や宗教によっては古くからのしきたりなどが根強く残っているところもあると思いますが、何よりも、故人のことを考えお花を選ぶことで、よりよいお参りの時間となるでしょう。