墓じまいを専門業者に任せる理由と供養先


「遠方にあるお墓になかなか行けない」ことが気がかりになっているという方は意外と多いのではないでしょうか。近年、さまざまな理由によりお墓の管理ができなくなった方々が墓じまいをするケースが増加しています。
実際に墓じまいをするには、各種手続きや新しい供養先の選定などやるべきことがたくさんあります。そのため、ひとりで全てを行うのはとても大変です。墓じまいを手伝ってくれる家族や親族がいないという場合やなるべく周囲に負担をかけずに墓じまいをしたい方は、墓じまい業者に依頼するという方法もあります。

〇墓じまいをスムーズに行うステップについて
〇ご遺骨の新たな供養先には永代供養や納骨堂、手元供養がある
〇注目されている新しい供養方法「散骨」
墓じまいをスムーズに行うステップについて


墓じまいとは、単に今あるお墓を処分することだけではありません。先祖代々受け継がれてきたお墓を撤去し、墓所を更地にして使用権を返還することを指します。
墓じまい後には大切なご遺骨の新たな供養先を探し、その場所に納めることなども墓じまいに含まれます。さらに、お墓というものは個人で勝手に撤去することができないため、行政手続きなども必要です。
墓じまいの主な流れ

1.親戚へ相談する
2.墓地の所有者・管理者へ伝える
3.遺骨の受け入れ先を確認する
4.改葬許可証を受け取る
5.遺骨を取り出し、お墓を更地にして返還する
6.新たな供養先を選定し、遺骨を移す

業者に依頼する場合は新しい供養先やお墓から魂を抜くための閉眼供養、お墓の解体作業などを任せることができます。業者によっても依頼できる内容に差があるので事前に調べておくことが大切です。

ご遺骨の新たな供養先には永代供養や納骨堂、手元供養がある
墓じまい後の新たな供養先として、多くの方に選ばれているのが永代供養や納骨堂です。ほかにも手元供養といって自宅でご遺骨を保管し、供養する方も増えています。
紹介した供養方法は、将来的なお墓の継承者の心配をする必要もなく、個人のお墓を持つことに比べて費用面においても負担の軽減につながります。
注目されている新しい供養方法「散骨」


最近、よく聞かれるようになった言葉に「自然葬」というものがあります。自然葬は、特定の宗教や形式にとらわれない新しい葬送方法です。
その自然葬のひとつに「散骨」があり、お墓を持たない供養の方法として注目を集めています。とくに、環境や周囲の人々に配慮したルールはあるものの、比較的制限の少ない海洋散骨は新しい供養の方法として多くの方が利用されています。
ただし、マナーや周囲への配慮を忘れてはいけません。たとえば、ご遺骨を一片あたり2ミリメートル以下まで粉骨しておくことや漁業権の存在しない沖合で散骨することなどです。
粉骨されていないご遺骨を海にまいてしまうと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。また、山へ散骨する場合は散骨地域が私有地でないか確認も必要です。

条例・ガイドラインを設けている自治体もある

自治体によっては事前に許可や手続きが必要だったり、散骨自体を禁止していたりする場合があります。
たとえば、静岡県熱海市では温泉地として人気の高い同市のイメージを守るため「熱海市海洋散骨事業ガイドライン」が策定されています。規制の背景として「近隣住民が散骨を嫌がる」「観光地としてのイメージ低下を危惧する」といったことがあげられています。条例に違反すると、懲役や罰金が科される場合もあるので注意が必要です。
全国的に見ると散骨の規制を実施している自治体はわずかですが、散骨をするにあたって事前にきちんとチェックしておきましょう。
徐々に認知されてきた海洋散骨とはいえ、実際に散骨を行う方はまだまだ少数派です。残された家族や親族の全員が海洋散骨について理解してくれるとは限りません。
海洋散骨を行うことになった場合は、親族の方々にも法的に問題がないことや散骨方法などを説明して理解していただく必要があります。
また、海へ散骨するためにはご遺骨をパウダー状にし、水溶性の袋に納めておく必要があります。業者に粉骨を依頼する場合は、「海洋散骨をする予定」と伝えるとスムーズです。
後々のトラブルを未然に防ぐためにも、個人で判断して行うのではなく業者に依頼して行うことをおすすめします。