墓じまいを考え始めたら、費用などはもちろんですが、手続きに関する手間はどれくらいかかるのでしょう。
墓じまいには様々な手続きがあります。忙しくて時間が取れない、難しくて一人でやるのは不安がある人のために、最近では代行業者が増えています。
墓じまい代行業者にも種類があります。全てをお願いしたつもりが手続きは自分でしなくてはならなかった・・なとということにならないよう、慎重に選ぶ必要があります。
ここでは、墓じまい代行業者の種類や選び方について、詳しくご紹介していきます。
■墓じまい代行業者の種類
現在主に墓じまい代行として目にするのは、
・弁護士や行政書士による代行
・石材店などによる墓じまい代行
となります。
それぞれにできることとできないことがあり、どの部分の代行をお願いしたいかを把握した上で代行業者を選びましょう。
■弁護士や行政書士による墓じまい代行について
墓じまいを行う場合、様々な申請が必要となります。
申請は、墓じまいを行う当事者自身が手続きをするか、もしくは国家資格者による申請の代理、代行のみと行政書士法で定められています。
〇弁護士・行政書士にお願いできる内容
・改葬許可申請
現在のお墓から、遺骨を取り出すために必要な申請です。市区町村の役場に申請をして許可を得ます。
自治体によっては遡った戸籍や住民票が必要なこともあり、それらの細かい作業をお任せすることができます。
・墓地廃止許可
現在のお墓の状況によっては、墓地廃止許可申請が必要なことがあります。
・公営墓地返還届
現在のお墓が公営墓地にある場合、その土地を返還するための届け出も必要になります。
・離檀料などの寺院との交渉
実際にはそれほど高額の離檀料を請求する寺院は多くありませんが、もしも離檀で疑問に思ったことなどがあれば、相談にも乗ってもらえます。
これは弁護士法により、行政書士にはできません。
〇弁護士・行政書士にできないこと
墓石の撤去や墓地を更地にするための整地、お墓から取り出した遺骨のメンテナンスなどは、石材など専門の業者さんじゃなくてはできません。
しかし、石材店の手配もしてくれる弁護士事務所・行政書士事務所もありますので、墓じまいに詳しい事務所を探すといいでしょう。
■石材店などの墓じまい代行業者
石材店などの墓じまい代行業者は、工事をメインに代行してくれます。墓地や霊園の指定石材店がある以外は、複数の業者に見積もりを出してもらうといいでしょう。
〇石材店などの墓じまい代行業者ができること
・遺骨の取り出しとメンテナンス
長期間納められていた遺骨は、状態が悪くなっている場合もあります。業者によっては、骨壺の水抜き、遺骨の洗浄などを行ってもらうことができます。
・墓石の解体撤去と墓地の整地
クレーンなどを使って墓石の解体と撤去をお願いします。
また、墓石を撤去した後、墓地を返還できるよう更地にしてもらいます。
〇墓じまい代行業者ができないこと
国家資格者でなければできない書類の申請は行うことができません。
しかし、専属の行政書士がいる場合は申請も代行してもらうことができます。
お寺や霊園によっては、指定石材店がある場合があります。その場合、お寺や霊園が指定した石材店以外の工事は許可されませんので、この場合代行業者に頼むことができないでしょう。
■その他の墓じまいに関わる業者
墓じまいで依頼をする業者で、手続きやお墓の墓石に関すること以外の場合、遺骨のメンテナンスや手元供養のための加工、または散骨を行うための業者です。
〇遺骨のメンテナンス
骨壺の水抜きや遺骨の洗浄などは、個人で行うのは難しいでしょう。
業者に頼むと、100年以上前の遺骨でも、超音波洗浄機・特殊洗浄機を使ってキレイにしてくれます。
また、殺菌や乾燥までしっかりと行ってもらえますし、散骨の場合は遺骨をパウダー状にするのもお願いできます。
粉骨はご自宅で行うこともできますが、専用の道具の準備が必要ですし、想像よりも粉骨する精神的なダメージは大きいため、業者に任せるのがいいでしょう。
〇散骨
日本で散骨する場合、特に海洋散骨の場合、船をチャーターして、散骨可能な海域まで行くには、しっかりと把握している専門の業者にお願いするのが安心です。
散骨は法律に触れることはないとはいえ、風評被害などの可能性から、海水浴場や漁場などは避けなくてはなりません。
業者にお願いして散骨する場合、個人で船を用意するよりも費用が安くすみますので、その点もメリットと言えるでしょう。
■人の手を借りることは悪くない
墓じまいは、自分の親族に関わることですので、できる限り自分で手続きしたいと思う人が少なくないでしょう。
しかし、煩雑な手続きで、時間がかかったり、わかりにくかったりする場合、または、精神的に負担がかかる作業など、代行業者にお願いするというのも1つの手です。
自分では考え付かなかったアイディアなどを提案してくれることもあります。
申請書なども含めて全て任せたい場合、代行の実績の豊富な国家資格を持った行政書士事務所や弁護士事務所、または専属の行政書士がいる代行業者を選ぶと安心です。