神奈川県で墓じまいする場合、墓じまい後のご遺骨をどのお墓に移すのが良いか考える人も多いはずです。
今回はその1つの候補として「久保山霊園」を紹介します。久保山霊園は久保山墓地とも呼ばれていますが、今回は久保山霊園として紹介していきます。
なぜ久保山霊園がおすすめなのか、この記事を読んで理解してください。
久保山霊園とは?
まず久保山霊園について概観します。そのあと久保山霊園の利用条件に付いて解説します。久保山霊園は市民墓地なので、横浜市民のためのお墓であることは、あらかじめご注意ください。
久保山墓地のご案内 横浜市 (yokohama.lg.jp)
しかし横浜市の方ならば、墓じまい後、非常に使い勝手のよいお墓になります。
久保山霊園とはどのようなお墓か?
久保山霊園は、横浜市が運営する市営霊園(市民墓地)です。横浜市という政令指定都市の自治体運営のため、安定した管理が期待できます。墓じまい後の利用も可能です。
久保山霊園は1874年に開設され、2024年で150年という非常に長い歴史を持つ由緒正しい市民墓地になります。久保山霊園は隣接して入り混じっている寺院(大聖院、林光寺、常清寺)管理の墓地と公共墓地の部分から構成されます。
横浜市営部分の面積は126,000平方メートル、14,000区画が並んでいます。
久保山霊園は横浜市で最大の規模の市民墓地で、広大な敷地に多くのお墓があります。久保山霊園はお墓だけではなく、火葬場や納骨堂も併設されているのが特徴です。
納骨堂とお墓にはそれぞれメリットがあり、一概にどちらが良いとは言えません。納骨堂は天候に左右されずに訪れることができるのがメリットですが、使用料と管理料が高めです。ただし、これは個別納骨堂の場合で、合祀を選べばお墓よりも安くなる場合があります。
「○○家のお墓」を久保山霊園に作るという選択肢だけではなく、納骨堂にお骨を移すという選択肢もあるので覚えておいてください。
久保山霊園は、公営墓地、市民墓地として宗教・宗派を問わず誰でも受け入れています。仏教以外の宗教の墓じまい後のお墓としても使えます。
ただし、市営墓地は住民サービスの一環として提供されているため、利用には一定の条件があります。
久保山霊園の利用条件
久保山霊園は横浜市の市民墓地ですので、基本的に利用できるのは横浜市民やその家族になります。
久保山冷暗に申し込みできるのは
- 横浜市に住民登録をして3か月以上経過した方
が大前提です。
横浜市の居住条件を満たしたうえで
- 申し込み者と同じ世帯で横浜市営墓地を既に使用していない方
- 埋葬予定の遺骨を持っている方
- 使用許可日から1年以内に建墓して納骨できる方
になります。
また、分骨のみの埋葬では申し込みができません。さらに、1世帯あたり1件の申し込みしかできず、同一世帯から複数の申し込みは受け付けていません。
1世帯1墓地であり、お骨については分骨不可で全部久保山霊園に埋葬していただくことになるのでご注意ください。
久保山霊園が墓じまい後のお墓にふさわしい理由
久保山霊園が墓じまい後の新しいお墓として優れていることを挙げます。久保山霊園なら、全国に分散している先祖代々のお墓を墓じまいして1つにまとめる対象として、非常に優れていると言ってよいでしょう。久保山霊園が墓じまい後、おすすめできる理由として以下の2つを挙げさせていただきます。
アクセスが良い
公共墓地、市民墓地が安いのはへき地にあるから、というケースが多いのですが(地価が安い)、久保山霊園はそれと異なります。久保山霊園の交通アクセスはとても良好であり、だからこそおすすめできるポイントになります。
久保山霊園へ行くには、京浜急行「黄金町駅」やJR横須賀線「保土ヶ谷駅」からバスを使います。「久保山霊園前」行きのバスに乗れば、墓地のすぐ前で降りることができます。
そのバス以外にも、黄金町駅からは「保土ヶ谷区車庫行き」、保土ヶ谷駅からは「日本大通り県庁前行き」や「関内駅北口行き」のバスも利用可能です。ただ昨今の路線バス減便の流れもあるので事前に確認をお願いいたします。
なお、久保山墓地には駐車場がないため、バスかタクシー(あるいは徒歩)での来園になります。タクシーの場合は、横須賀線「保土ケ谷駅」東口から約5分です。
費用が安い
公共墓地だけあって、費用がとても安くなっています。費用、利用料金については次の項でまとめますが、お墓を建設した場合、お墓の費用以外だと年間5000円の維持費(管理費)で済みます。
お寺にお墓を建設した場合、檀家として菩提寺に多くのお布施が必要になります。年間これだけの料金で済めば、とても助かります。お墓の維持費は中にならず、こうした格安で利用できるのはありがたいです。
久保山霊園には3種類の「お墓」がある
お墓と聞いてイメージするのは「○○家のお墓」と地面に「ドーン」と立っている墓石ですが、久保山霊園は公共墓地なので、それだけではなくコンパクト化されたお墓もあります。
久保山墓地は、「墓地」と「納骨堂」に分かれており、どちらも現代的な設計が特徴です。
まず「墓地」です。これは一般的なお墓をイメージしていただければわかりやすいです。
地上の「墓地」の場合、土地使用料は20万3,000円から27万5,500円です。この土地は永久に使用できますが、年間の管理料が5,000円かかります。また、この費用は土地の使用料であり、墓石の設置には別途費用が必要です。お墓代が別にかかるということです。
次に「納骨堂」です。納骨堂とは「お墓のマンション」のようなイメージで、地面に墓石が建っているのではなく、室内で簡易的なお墓があり、そこでお参りします。
久保山霊園の納骨堂は「自動搬送式納骨堂」と「合葬式納骨堂」があります。
まず、「自動搬送式納骨施設」についてです。これは、受付でカードを使用すると、遺骨が収められた厨子が自動的に出てくる仕組みです。30年間の使用料は48万4,000円、管理費は年間9,900円です。「お墓のマンション」に最も近いものになります。
次に、「合葬式納骨施設」があります。シンボルツリーの下に納骨施設が設置されており、献花台でお参りします。個別のお墓ではなく、無縁仏のように全部一括で納骨されているイメージです。「○○家のお墓」というものはわからず、あくまで合同のお墓にお参りします。
この施設の使用料は遺骨1体につき12万1,000円で、60年間保持されます。管理費用は使用料に含まれています。
久保山霊園の利用料金
久保山霊園の利用料金を紹介します。上述のように久保山霊園では「墓地」、納骨堂の「自動搬送式納骨堂」と「合葬式納骨堂」という3つのカテゴリがあります。
それぞれの利用料金について表にまとめました。
墓地 | 納骨堂 | ||
利用料金内訳 | 自動搬送式納骨堂 | 合葬式納骨堂 | |
初回費用(使用料) | 203,000円~275,500円 | 484,000円(30年間) | 121,000円(60年間) |
毎年の管理料 | 5,000円 | 9,900円 | 上記に含まれる |
その他、こまごまとした費用は以下になります。
かなり料金が異なります。なお、墓地は使用料と管理費であり、お墓そのものの建設費用については別になります。墓久保山霊園にある自分たちの敷地の使用料だとお考え下さい。
合葬式納骨堂はかなり安く、1回使用料を払えばほぼ半永久的に利用できます。ただし「○○家のお墓」とない墓地にお参りすることをどこまで許容できるかになります。
墓じまいした後、久保山霊園にお骨を移して埋葬することは、コストパフォーマンスの面でも優れていますが、あとはどのスタイルで埋葬するかしっかりと話し合って決めてください。
ちょっと一息「久保山霊園の歴史」や「久保山霊園の眠る有名人」
最後にコラム的なものですが、久保山霊園の歴史と久保山霊園に眠る有名人について簡単に触れておきましょう。有名な人が眠る久保山霊園に墓じまい後のお骨を移すのも悪くないかもしれません。
久保山霊園の歴史
久保山霊園は、1874年(明治7年)に設立され、長い歴史を持つ横浜市営の公共墓地です。多くの人々がここに眠っており、関東大震災の犠牲者や戦争で亡くなった人々も多く埋葬されています。公営墓地であるため、無縁仏も受け入れています。
第二次世界大戦の戦争責任を問われ、巣鴨拘置所で絞首刑となったA級戦犯7名が秘密裏に火葬された久保山斎場や葬儀式場の久保山霊堂もここにあります(埋葬はされていない)。
久保山霊園は大聖院、林光寺、常清寺の3つの寺院の土地をもとに造られ、横浜市営部分の面積は約126,000平方メートルで、約14,000区画があります。かなり広大な公共墓地になります。
久保山霊園に眠る有名人
歴史ある久保山霊園ですので、そこに眠っている方の中には以下のような有名人、著名人もいます。
<埋葬されている著名人>
- 吉田茂 – 政治家、元内閣総理大臣。2011年に青山霊園から改葬
- 有馬四郎助 – 刑務官・社会事業家
- 原富太郎 – 実業家、三溪園の造園者
- 美澤進 – 教育者、横浜商法学校(現・横浜市立横浜商業高等学校)初代校長
- 宮川香山 – 陶芸家、横浜焼の創始者
- 村岡花子 – 翻訳家・児童文学者、『赤毛のアン』の翻訳者
- 森川信 – 俳優
- 山城屋和助 – 奇兵隊隊士、後の陸軍省御用商人
- 吉田勘兵衛 – 材木商、吉田新田の開墾者
- 吉田健一 – 英文学者、吉田茂の長男
- 吉田健三 – 実業家、吉田茂の養父
- 吉田幸兵衛 – 生糸売込商
- 小此木彦三郎 – 政治家
- 若羽黒朋明 – 元大関
- 日下部金兵衛 – 明治期の写真師
明らかに目を引くのは吉田茂です。あの有名な政治家がここに眠っています。
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墓じまい後、住んでいるところから近いお墓になれば、お参りもしやすくなります。今回紹介した久保山霊園なら、横浜市在住の方にとってはとても便利な場所にありおすすめです。
特に墓地ではなく納骨堂を選択すれば、お墓(墓石)の清掃や周囲の環境整備の手間もかからず、供物も不要です。
先祖代々のお骨を集めるならば、納骨堂を格安で利用できる久保山霊園はおすすめの選択肢になります。もちろん、墓地を建立しても、格安で使え、菩提寺との関係を気にせずに済むので楽になります。
久保山霊園にお骨を移す際には、まず墓じまいになります。安く墓じまいでき、行政手続きもアウトソーシングできれば手間がかからずお得です。行政手続きは複雑で、自分で行うと失敗してしまうかもしれず、慣れている業者に依頼したほうが確実です。その業者として「わたしたちの墓じまい」をおすすめします。
「わたしたちの墓じまい」は日本全国どこでも参ります。久保山霊園は横浜ですが、墓じまいするお墓はどこでも大丈夫です。
本社が藤沢市にあるので神奈川県なら問題なく墓じまいの対応が可能です。
ぜひ一度問い合わせていただき、久保山霊園だけではなく、他の霊園、お寺も含めてお骨の移送や納骨、行政手続きまできちんと代行いたします。
墓じまいをご検討の方はぜひ「わたしたちの墓じまい」までお問い合わせください。