墓じまいの流れ

2014年頃からよく聞くようになった「墓じまい」。しかし、具体的にどのようなことをするかご存知でしょうか?
今回は墓じまいが広まってきた理由なども含めて、ご紹介いたします。
 

■墓じまいとは


お墓から遺骨を取り出し更地にし、お墓がある限り永代的に使用できる権利(永代使用権)と敷地を返すことを言います。お墓を解体・撤去するので「廃墓」などとも呼ばれることもあります。
遺骨を取り出し次の供養方法を考える必要があるため、その方法は後ほどご紹介いたします。
 
 

■墓じまいをする理由

墓じまいをする理由として挙げられるのが、少子化・核家族化・都心化です。
「お墓の継承者がいない」、「お墓は遠くてお参りができない」など、お墓の悩みを解決するために考える方が多いことでしょう。
また、高齢になりなかなかお墓参りにいけないというのも墓じまいのきっかけとなるようです。お墓のことで子どもに負担をかけたくない、という思いから墓じまいを考える方もいるようです。

 
 

■墓じまいの流れ

1.新しい遺骨の行き先を決める

上記で挙げたように、墓じまいをする理由は「お墓の継承者がいない」などの悩みからです。そのため、管理や維持費がかからないものを選ぶ必要があります。
遺骨の行き先としては下記のようなものがあります。
・公営墓地(改葬合祀)
・散骨
・菩提寺(永代供養)
・納骨堂
・手元供養
 

2.改葬許可申請をする

遺骨を今の場所から移動する場合には、公的機関からの書類が必要になります。その書類が「改葬許可書」です。
なぜこのような種類が必要かというと、受け入れ先の管理者は違法な遺骨を受け入れる事ができず、そうしたトラブルを回避するためにこのような許可書が必要となるのです。
まず、ご自身がお住まいの地域ではなく、今お墓がある市町村役場から「改葬許可申請書」をもらうことが必要です。ただし遺骨の新しい行き先で散骨や自宅供養を選んだ場合は、改葬手続きの申請は必要ありません。
 

3.お墓撤去業者の決定

撤去するのは墓石屋さんです。ご自身で決めるか、お寺によっては指定業者がある可能性がありますので、しっかりと確認しておきましょう。
 

4.墓石の撤去と墓地の返還

墓前にて僧侶に魂抜きのお経をあげてもらい(閉眼供養)、その後に遺骨を取り出します。そして墓石を撤去、更地にし墓地管理者に永代使用権を返還します。
 

5.遺骨のメンテナンス

長い間埋葬された遺骨は汚れてしまいます。そのため新しい骨壷に入れ替える前に、お手入れが必要となります。
遺骨の行き先によってお手入れ方法が違いますが、遺骨の洗浄や乾燥、殺菌、粉骨など様々な作業が必要です。この作業も全て業者の方に依頼した方が、楽で安心できます。

 

おわりに

お墓は家族や親族にとって心の拠りどころとなる、とても大切な場所です。
そのため墓じまいを相談せずに決めてしまうと、トラブルの原因となります。きちんと家族や親族との話し合う時間を設け、理解してもらった上で実行することが重要です。
墓じまいの工程では家族・親族間だけでなく様々な問題が起こる可能性がありますので、専門の方にも相談しながら慎重に進めていくことを心がけましょう。