【毎日新聞連載記事①】「結局はカネなのか」説教2時間半、墓じまい交渉で“幻滅”するまで

「必ず私たちの代で終わらせる」

 墓じまいの決意は固かった。

 しかし、お寺で待っていた事態が元々少なかった「信仰心」をさらに薄れさせ、供養は紆余(うよ)曲折を経ていった。

 <今回の主な内容>
・「付き合いもやめていい」
・住職の息子の学費も…
・弟の「最後通告」
・「土葬」がネックに
・変わる「離檀料」

「付き合いもやめていい」
 2019年秋。東京都内に住む70代の女性は、長野県内に住んでいた母を亡くした。長野の実家は無人になり、その近所にある先祖代々の墓の維持も難しくなった。

 墓は急斜面の上に位置し、足を運ぶのも一苦労。以前、夏に母が掃除に訪れて体調を崩したこともあった。枯れ葉の片付けや雑草抜きに苦しめられた母は生前、「私が死んだらお寺との付き合いもやめていいからね」と言い残していた。

 そこで、女性は母の死をきっかけに、墓から遺骨を取り出して墓石を撤去する「墓じまい」を決めた。遺骨は都内の永代供養墓に移すことにした。

 20年春、実家にほど近い菩提(ぼだい)寺に電話で相談すると一喝された。

 「そういう話は電話で済むものではない」

 新型コロナウイルスの感染防止が叫ばれていた時期だ。現地に出向くわけにもいかず、計画は先延ばしにせざるを得なかった。

住職の息子の学費も…

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弔いのカタチ:「結局はカネなのか」 説教2時間半、墓じまい交渉で“幻滅”するまで | 毎日新聞
「必ず私たちの代で終わらせる」  墓じまいの決意は固かった。  しかし、お寺で待っていた事態が元々少なかった「信仰心」をさらに薄れさせ、供養は紆余(うよ)曲折を経ていった。