お墓購入から完成までどのような流れで進めるのか

お墓は家と同じように一生のうちに何回も建てるものではないため、
しっかりと知識を得て、選びたいものです。
また、お墓も土地と建物の契約が必要になりますが、
墓地の土地は購入するわけでなく、半永久的に利用する権利を得ることになります。

お墓購入の流れ

お墓を購入する流れとしては、『墓地』を選ぶことと、
『墓石』づくりをすることの2つに分けることができます。

墓地の決定

1、情報集め

墓地や霊園の情報を集めます。
法律では、ご遺骨を埋蔵するところを『お墓』と呼び、お墓がある場所を『墓地』といいます。
また、ご遺骨を収蔵する施設を『納骨堂』と定義しています。
宗旨・宗派、立地や環境、価格などを考慮して選びましょう。
・寺院墓地
寺院が自らの敷地で経営・運営・管理。
・民間霊園
宗教法人、または公益法人が経営・運営・管理。
・公営墓地
都道府県、市町村などの地方自治体が経営・運営・管理。
・納骨堂
宗教法人、または公益法人が経営・運営・管理。
このような情報を集め、良さそうなところをピックアップし見学の予定を立てましょう。

2、予算と場所を絞る

墓地の購入は、墓石代の他に墓地使用料と年間管理料がかかります。
公営墓地は人気があり、年間管理料も安いのが特徴ですが
倍率が高く墓地使用料も高い事が多いです。
場所は、自分や家族がお参りしやすい場所が最も良いと考えられますが、
予算と併せて絞っていきましょう。

3、墓地の見学

ピックアップした場所を、見学しましょう。
印象が違ったなど実際に足を運んでみなければわからないこともでてきます。
また、霊園の担当者から具体的な説明受けられることや、直接質問ができるなど
とてもよい機会になるはずです。
敷地内の印象だけでなく、周辺の環境やアクセスも要確認です。
年をとってからもお参りすることを考え、坂や階段などもチェックが必要です。
ご希望の場所が見つかった場合は、仮申込をおすすめします。
どれほどの期間、お取り置きいただけるか確認を忘れないようにしましょう。

4、墓地の申込み

予算、場所、宗派などから納得のいく場所が見つかった場合、申し込みを行います。
墓地が先に決まらないと、墓石の正確な見積もりができないため申し込みが必要です。
「墓地使用申込書」を提出し、永代使用料・管理料などの手続き後、
墓地の使用契約が結ばれ、『永代使用承諾証(許可証)』が発行されます。

墓石の決定

5、石材店に墓石の見積もりを依頼

墓地が決まったら、次は墓石を決めます。
墓石の形、石の種類、加工、彫刻など、どんなお墓にするか希望まとめておくことで、
スムーズなお見積もりが可能です。
墓石の形やデザインは縦長の「和型」がオーソドックスですが、
横長の「洋型」のほか、個性的なデザインにオーダーメイドすることも可能です。
また、石の種類も多種多様で、お墓・墓石に使われる石は100種類以上あります。
ご予算に合わせて、形やデザイン、石の種類を決めましょう。

6、墓石を購入

形やデザイン、石の種類などが決まり、見積もり書を確認したら契約をします。
冒頭でもお伝えしたように、お墓は一生のうちに何回も建てるものではありません。
疑問や不安を残さず、納得のいくまで打ち合わせをしましょう。
【確認内容】
・墓石工事詳細
・墓域
・金額の明細
墓石、外柵、工事、永代使用料、管理費
・完成予想図
・墓石の実物例
・完成時期
・規則、規約関連
・アフターサービス
・彫刻の確認
工事前には内金の支払いを求められることが一般的です。

7、墓石工事を行う

契約後、お墓の工事が行われます。
工事の過程を見学希望の場合は、事前に石材店にお願いすると立ち合うこのも可能です。
希望の場合は、事前に相談しておきましょう。

8、完成・引渡し

お墓の完成までには2~3ヶ月ほどかかり、工事完了後、お墓の引渡しとなります。
現地で契約時の内容通り、工事が行われたかチェックし仕上がりを確認します。
戒名の文字彫刻など、細かい部分までしっかりと確認を行いましょう。
確認後、墓石工事代金の残額を支払います。

9、開眼法要

開眼法要、入魂式、魂入れなどと呼ばれる儀式で、
宗教・宗派によって、僧侶を呼びお経を上げてもらう場合もあります。
霊園や石材店で紹介してもらえる場合があるので、事前に相談しておきましょう。
法要後、納骨室部分に目地をして雨水などが入らないように施します。
以上がお墓が出来上がる一般的な流れです。
お墓は建てて終わりではないので、アフターケアの有無についても
石材店に確認しておくことをおおすすめします。
また、生きているうちに自分のお墓用に、先に土地だけを抑えておくことも可能です。(生前建墓)
人気のある霊園は倍率も高いので、亡くなってから申し込みを行うと、
納骨までに数年かかることも珍しくありません。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
お墓の購入は家族にとって一度あるかないかの大きな買い物です。
しっかりと情報を集めて、家族で話し合いましょう。
また、最近では生前建墓が当たり前になっているというデータもあります。
ご家族・ご自分のお墓について、なかなか考える機会はありません。
生きているうちに死ぬことを考えるなんて…と思ってしまいますが、
この機会に少し考えてみるのもいいかもしれません。