墓じまいとは、今あるお墓を片付けて更地にすることを指します。
取り出した遺骨は、永代供養墓や納骨堂など、新しい場所に移すのが一般的な流れです。
最近では、「お墓が遠くて管理が難しい」「跡継ぎがいなくて心配」という悩みを持つ人も増えています。
そこで今回、墓じまいの経験がある100人を対象にアンケート調査を実施しました。
アンケート結果をもとに、墓じまいを始めたきっかけや、実際にかかった費用・期間などの実態を詳しく紹介します。
これから墓じまいを考えている人にとって役立つポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね。
墓じまいの流れ|手続きの6ステップを解説
墓じまいをスムーズに進めるためには、事前の準備がとても大切です。
ここでは、一般的な墓じまいの手順を6つのステップで詳しく解説します。
STEP1:家族・親族間で合意を得る
墓じまいを考え始めたら、まずは家族や親族に相談しましょう。
お墓は親族全員にとって大切な場所なので、自分一人で勝手に決めてしまうとトラブルになりやすいです。
「管理が難しくなった」という現状を伝え、全員に納得してもらうことが大切になります。
親族それぞれの想いを聞きながら、時間をかけて話し合いを進めましょう。
STEP2:必要書類を確認する
家族や親族から墓じまいの合意が得られたら、手続きに必要な書類を確認します。
自治体に提出する「改葬許可申請書」のほか、現在のお墓の管理者が発行する「埋蔵証明書」などが必要になります。
書類の形式は自治体ごとに異なるので、あらかじめ役所の窓口で確認しておくと安心です。
早めに書類を揃えておくことで、その後の手続きがスムーズに進みます。
STEP3:新しい納骨先を決める
取り出した遺骨を次にどこへ納めるかを決めます。
自治体によっては、新しい納骨先が決まっていないと、改葬の許可をもらうことができない場合もあります。
最近では、永代供養墓や納骨堂、樹木葬などさまざまな選択肢があるので、自分たちの希望や予算に合う場所を、じっくりと比較して選びましょう。
STEP4:墓地の管理者に連絡する
現在お墓がある寺院や霊園の管理者に、墓じまいをする旨を伝えます。
これまでお世話になった感謝を伝えつつ、解体工事の時期などについても相談しましょう。
特にお寺の場合は、離檀の手続きが必要になることがあります。
早めに連絡を入れて、良好な関係を保ちながら進めるのが理想的です。
STEP5:改葬許可証を取る
必要書類がすべて揃ったら、現在のお墓がある市区町村の役所に提出します。
無事に受理されると、「改葬許可証」が発行されます。
この許可証は、新しい納骨先に遺骨を納める際にも必要となる重要な書類です。
手元に届いたら、紛失しないように大切に保管しておきましょう。
※地方自治体によっては改装許可証の発行(郵送)に費用が発生することがあり、その場合は定額小為替での支払いになります。
STEP6:墓石を撤去し新しい受け入れ先に納骨する
最後に、墓石の撤去工事を行い、墓地を更地にして管理者に返還します。
工事の前には、遺骨に宿る魂を抜く「閉眼供養」を行うのが一般的です。
取り出した遺骨を新しい納骨先へ運び、納骨の手続きを済ませればすべての工程が完了します。
新しい場所での供養が始まることで、管理の不安も解消されるでしょう。
墓じまいをしようと思ったきっかけ|「お墓の遠方管理が負担」が最多
実際に墓じまいをした人は、どのような理由で決断したのでしょうか。
墓じまいの経験がある100人に、墓じまいのきっかけを尋ねたところ、以下のような結果になりました。

アンケートの結果、約7割に近い人が「お墓の遠方管理が負担になった」と回答しました。
進学や就職を機に地元を離れると、定期的にお墓を掃除しに行くのはとても大変なことになります。
距離が離れていると、お墓の様子が気になってもすぐに駆けつけることができません。
こうした物理的な距離の問題が、墓じまいを考える一番のきっかけになっているようです。
次に多かったのは、「墓の継承者がいない」という理由でした。
自分が亡くなった後に、お墓を守ってくれる人がいないことを不安に思う人も多いことがわかります。
また、「家族に負担をかけたくない」という回答もありました。
自分の代でお墓の整理を済ませて、将来の家族を楽にしてあげたいと考える人が増えているといえるでしょう。
墓じまいの進め方の実態|約6割が自分・親族で対応
墓じまいを進める際、専門の業者に代行を依頼するべきか悩む人も多いでしょう。
そこで、墓じまいの経験がある100人に、どのように手続きで墓じまいを進めたのかを尋ねました。

アンケートの結果、6割以上の人が「すべて自分(親族)で行った」と回答しました。
役所の手続きやお寺への連絡など、自分たちで動いて完了させた人が大半を占めていることがわかります。
「身内のことなので最後まで自分たちの手でしっかり供養したい」と考える人が多いのかもしれません。
一方で、約4割の人は、一部またはすべての工程で代行サービスを利用しています。
仕事で忙しい人や、お墓が遠方にあって何度も足を運べない人にとっては、プロのサポートが心強い味方になります。
この結果から、自分の生活スタイルや状況に合わせて、無理のない方法を選んでいる実態が見えてきました。
墓じまい費用の傾向|進め方によって金額に差がある
墓じまいにかかる費用は、進め方によってどのくらい変わるのでしょうか。
「すべて自分(親族)で行った」「一部の手続きのみ代行を利用した」「すべて代行サービスに任せた」の3つのグループごとに、費用の総額を調査しました。



すべて自分たちで行った人のデータを見ると、約6割の人が50万円未満で墓じまいを終えています。
自分たちで動くことで人件費などの追加費用を抑えられるので、コストを最小限にできるといえるでしょう。
一部の代行を利用した人では、50万円〜100万円未満の割合が約4割と最も多くなりました。
自力で行うよりも少し費用は上がりますが、自分たちの負担を減らしつつ予算内に収めている人が多いようです。
すべてを代行に任せた人の回答は、10名のみという少ないサンプル数ではあります。
しかし、結果を見ると100万円以上の割合が他のグループよりも高くなる傾向にあることが分かりました。
全ての工程をプロに委託する分、手間を減らすことができる一方で、どうしても費用は膨らみやすいといえるでしょう。
この結果から、安さを重視するなら自力、手間と費用のバランスを取るなら代行を検討するのが効果的だといえますね。
墓じまいにかかる期間|「3ヶ月~半年」が最多
次に、墓じまいにどのくらいの期間がかかるのかを調査しました。
こちらも進め方によって違いがあるのか、詳しく見ていきましょう。



アンケートの結果、どの進め方を選んでも「3ヶ月〜半年未満」で完了している人が最も多いことがわかりました。
自分で行う場合は、業者とのやり取りを挟まないので、自分のペースでガンガン進められるのがメリットです。
そのため、3ヶ月未満という短い期間で終えられている人も一定数います。
一方で、代行サービスを利用した場合は、業者と進捗を確認しながら進めていくことになります。
そのため、劇的に期間が短くなるわけではありません。
しかし、プロが代行してくれることで、自分たちの手間や精神的な負担は大幅に少なくなります。
「時間がかかっても確実に楽に進めたい」という人には代行が向いているといえるでしょう。
墓じまいで最も大変だった工程|「親族との話し合い」が最多
墓じまいの工程の中で、多くの人が壁にぶつかるのはどこなのでしょうか。
墓じまいの経験がある100人に、最も大変だった工程について尋ねたところ、意外な事実が見えてきました。

アンケートの結果、約半数の人が「親族との話し合い」が最も大変だったと回答しました。
お墓の撤去や工事といった作業よりも、身内との意見調整に苦労する人が多いことがわかります。
お墓に対する考え方は人それぞれ異なるので、全員の同意を得るにはかなりの時間とエネルギーが必要になるのでしょう。
また、次に多かったのが「離檀交渉」でした。
これまでお世話になったお寺に墓じまいを伝えるのは、精神的な負担が大きい作業といえます。
事務的な手続き以上に、人との関わりや感情が絡む部分で苦労を感じる人が目立つ結果となりました。
こうした人間関係の調整こそが、墓じまいを成功させるための最大のポイントだといえるでしょう。
【体験談】墓じまいで後悔したこと|経験者のリアルな声
墓じまいを終えた後に、「もっとこうしておけばよかった」と後悔している人も少なくありません。
経験者のリアルなエピソードを、3つのポイントに分けて紹介します。
- 事前に親族間で十分に話し合い、合意を得ておけばスムーズに進んだ。
- 親族間の話し合いは早めに始めたほうがよかった。親族で意思を統一できないと、話が進まないため。
- 親族それぞれの考えが違っていて、話し合いに時間がかかった。
親族との合意形成は、墓じまいで最も時間がかかる部分だといえます。
「自分たちだけで決めてしまった」と思われると、後から大きなトラブルに発展しかねません。
できるだけ早い段階から相談を始め、全員が納得できるまで丁寧に話し合うことが大切になるでしょう。
- 永代供養にすれば良いとは考えていたものの、費用について一切、考慮していなかった。
- 費用の相場ももっと調べておけばよかったです。
- 必要経費がどのくらいかかるか事前に調べておくことです。
墓じまいには、解体工事以外にもお布施や新しい納骨先の費用など、さまざまなお金がかかるものです。
事前に総額の目安を知っておかないと、予算を大幅にオーバーしてしまう可能性があります。
まずは複数の石材店から見積もりを取るなど、費用の相場を把握しておくことをおすすめします。
- お墓が遠方にあったので代行業者にお願いしてもよかったのではと思うことはある。時間・労力・お金が沢山かかってしまった。
- 墓じまいの代行サービスを利用すれば良かった。
- 代行サービスを利用しないと自分達で全て調べなければならないからプロの手を借りるべきだった。
自分ですべてを行おうとすると、調べものや慣れない手続きで疲れ果ててしまうことがあります。
特にお墓が遠方にある場合は、何度も現地へ足を運ぶための交通費や時間も無視できません。
「代行業者にお願いしてもよかったのではと思うことはある」という声があるように、代行サービスの活用も賢い選択肢の一つといえるでしょう。
墓じまいは長期戦|無理のない進め方を選ぶことが大切

墓じまいの完了までには、平均して3ヶ月から半年という長い期間がかかります。
アンケート結果からもわかるように、親族との調整や慣れない役所仕事は、精神的にも肉体的にも大きな負担になりやすいものです。
もし「自分たちだけで進めるのは限界がある」と感じるなら、専門の代行サービスを頼ることも検討してみましょう。
プロのサポートを受けることで、ミスなく確実に進められ、結果として心に余裕を持って供養を終えることができます。
大切なのは、形にこだわりすぎず、自分たちに合った方法でご先祖様を敬うことだといえるでしょう。
【まとめ】
- 墓じまいのきっかけは「お墓が遠くて管理できない」という悩みが最多
- 墓じまいの流れには「親族の合意」「書類準備」「納骨先決定」など6つのステップがある
- 約6割の人が自分で墓じまいを行っていて、費用も自力の方が安く抑えられる傾向がある
- 墓じまいの完了までの期間は3ヶ月〜半年が一般的で、自力でも代行でも大きな差はない
- 最も大変な工程は「親族との話し合い」なので、早めに相談を始めることが大切
【調査概要】
- 調査方法:インターネットアンケート
- 調査対象:墓じまいの経験がある男女
- ※本調査は「わたしたちの墓じまい」利用者に限定したものではなく、墓じまい経験者を対象に実施しています。
- アンケート母数:100名
- 実施日:2026年2月6日
- 調査実施主体:株式会社フーフー「わたしたちの墓じまい」

