「墓じまいに補助金が出ると聞いたが、本当なのかどうかを知りたい」
「墓じまいにかかる費用を安く抑える方法が知りたい」
近年、墓じまいを考える人が増えています。
いざ、墓じまいについて調べ始めると、案外費用が高くつくことを知り、墓じまい自体を迷ってしまう人もいますよね。
墓じまいに補助金制度があれば、墓じまいにかかる費用を抑えることもできます。
この記事では、墓じまいの補助金制度についてや、補助金が使用できない場合に、墓じまいにかかる費用を安く抑える方法についても説明しています。
最後まで読んでいただければ、納得できる墓じまいができますよ。
墓じまい補助金制度とは?
墓じまい補助金制度とは、墓じまいに関わる費用の一部を地方公共団体や自治体が補助してくれる制度のことです。
前述したように、墓じまいには墓石の解体や撤去工事費だけでなく、ご遺骨を再供養する費用など、多くの費用がかかります。
費用の一部だけでも補助してもらえたら、ずいぶんと助かりますよね。
墓じまいに関する補助金制度に関しては、地方公共団体や自治体によってそれぞれ考え方が
違い、「助成金」としての制度だったり、金銭面の支給はなくサポート制度のみを行っている場合もあります。
墓じまいに補助金が出る理由
墓じまいに補助金が出る理由は、地方公共団体や自治体が、墓地の返還を促進するのが目的です。
近年、少子化や高齢化に伴い、管理・供養が行われずに放置されるお墓が増え、社会問題になっています。
このように、お墓を管理・供養していた人と連絡がつかず、長年放置されたお墓は「無縁墓」と呼ばれ、総務省令和5年「墓地行政に関する調査ー公営墓地における無縁墳墓を中心としてー」の結果(概要) のデータによると、公営墓地・納骨堂で無縁墳墓等が発生しているのは58.2%(445/765市町村)にものぼります。
無縁墓のまわりには雑草が生い茂り、不法投棄の温床になるなど、荒れた状態になってしまい、墓地全体の景観や環境が悪くなってしまいますよね。
無縁墓は「墓地、埋葬等に関する法律」に基づき、墓地の管理者が撤去できます。
しかし、撤去するにも費用がかかります。
そのため、地方公共団体や自治体が補助金を出し、無縁墓になる前に「墓じまい」を進めているというわけです。
引用元:総務省「墓地行政に関する調査 ー公営墓地における無縁墳墓を中心としてー」の結果(概要)
引用元:e-Gov法令検索「墓地、埋葬等に関する法律」
墓じまいに補助金が出る自治体
墓じまいに補助金が出る自治体は、ごく少数なのが現実です。
多くの地方公共団体や自治体では、まだ補助金制度がありません。
墓じまいに関する補助金制度がある千葉県浦安市では、「墓所返還者等支援事業」として、墓石の撤去など、返還区画の原状回復に要した費用を上限150,000円まで交付してくれます。(2024年3月時点)
まずは、お墓がある場所の自治体に、墓じまいの補助金制度があるのかどうかを確認しましょう。
引用元:浦安市役所公式HP「墓所返還者等支援事業」
墓じまいに補助金が出るかを調べる方法
補助金や助成金のポータルサイト「スマート補助金」でも、全国の補助金や助成金の有無を調べられます。
しかし、このサイトですべての情報をカバーしているわけではありません。
墓じまいに関する補助金などについて公表していない自治体や、「墓じまい補助金制度はないが、サポート制度はある」といった場合もありますので、直接確認する方が良いでしょう。
自治体ホームページの相談窓口フォームやメール、電話相談などを利用できます。
墓じまいに関する補助金制度についての確認ポイントは次のとおりです。
- 墓じまいに関する補助金・助成金制度はあるか
- 墓じまいに関して、相談できる窓口はないか
補助金や助成金の制度がある場合は、補助金や助成金が受けられる条件や申請方法、支援内容の詳細も確認が必要です。
引用:補助金や助成金のポータルサイト「スマート補助金」
補助金以外で墓じまい費用を抑える方法
残念ながら補助金や助成金の制度がない場合、墓じまいは自己負担で行うことになります。
まずは、墓じまいで必要な費用を確認して、墓じまいの費用を抑える方法を知りましょう。
墓じまいには、およそ30万円~300万円程度必要だとされています。
この金額差は、墓じまいに決まった金額がないことが原因だと考えられます。
お布施やお墓の撤去費用、新しい納骨先の違いなどによって金額が変わるため、一概にいくらとはいえません。
まずは、ご自身の場合を想定して、墓じまいにかかる費用を概算してみると良いでしょう。
墓じまいにかかる費用については「墓じまいの費用相場は?墓じまいの費用を抑えるためにはどうしたらよいか」の記事でも詳しく紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
墓じまいにかかる費用には、大きくわけて3つあります。
- お墓の撤去に関わる費用
- 行政手続きで必要な費用
- 再供養で必要な費用
それぞれ詳しく説明していきます。
お墓の撤去に関わる費用
お墓の撤去に関わる費用は、総額15万円以上が必要です。
法要のお布施:3万円~10万円程度
離檀料:無料~20万円程度
お墓の撤去に関わる費用は、決まった価格がないので、最も変動しやすいといえます。
墓の撤去費用
墓じまいをするにあたっては、区画を更地にして返却する必要があるため、墓石を解体・撤去しなければなりません。
墓石の解体・撤去について、1㎡あたり10万円〜20万円程度が目安といわれていますが、
お墓の大きさや立地によって価格が高くなる場合もあります。
また、ご遺骨の取り出し、墓石の処分費用についても確認が必要です。
墓石解体業者によっても料金設定が違うため、価格を抑えるためには、何社か見積もりをとって比較検討するとよいでしょう。
法要のお布施
お墓を撤去する前には、お墓の魂を抜くための「閉眼供養」を実施します。
閉眼供養は、必ずしも必要な法要ではありませんが、お墓にはそこで眠るご先祖様や、その墓にお参りしてきた人の念がこもっています。
気持ちよく墓じまいを行うためにも、重要な法要であるといえるでしょう。
この法要でのお布施として、ご住職に3万円~10万円程度をお包みします。
そのほか、お供えやお車代などが必要になる場合もあります。
離檀料
墓じまいをするということは、今までお世話になっていたお寺の檀家を辞めるということです。
離檀料は、檀家を辞める際にお支払いする費用。
お寺によっては「うちは離檀料をいただいていません」というところもあります。
法律で定められたものではありませんが、今までお世話になった気持ちとしてお渡しするのが通例となっています。
目安は、通常の法要でお包みする金額の2倍程度です。
中には高額な離檀料を請求され、トラブルに発展することもあります。
お寺との離檀交渉については「墓じまいで必要なお寺との離檀交渉【トラブル回避】」の記事でも詳しく解説しています。
行政手続きで必要な費用
行政手続きで必要な金額は、数百円程度です。
改葬許可証などを発行してもらうときの発行手数料くらいのものですので、費用に関してはさほど心配しなくても良いでしょう。
お墓が遠方にあって手続きが面倒な場合や、手続きに割ける時間がない場合には、業者に必要な書類の作成・申請・取得を代行依頼することも可能です。
業者に行政手続きを依頼した場合は4万円程度必要になるため、墓じまいの費用を抑えるのであれば、自分で行うのがおすすめです。
再供養で必要な費用
再供養で必要な費用は、納骨の方法で変わります。
墓じまいの費用を抑える上で、再供養の方法が最も重要なポイントになります。
- 一般墓所(80万円~250万円程度)
- 永代供養墓(5万円~150万円程度)
- 樹木葬(20万円~80万円程度)
- 納骨堂(10万円~150万円程度)
- 散骨(5万円~70万円程度)
- 手元供養(数百円~50万円程度)
費用を抑えるのであれば、永代供養墓や散骨、手元供養も選択肢に入れると良いでしょう。
どの供養方法においても、メリットやデメリットがあるので、家族や親族でしっかり話し合い、納得できる方法を選ぶことが重要です。
ではそれぞれ、どういった供養方法なのかを簡単に説明します。
一般墓所(80万円~250万円程度)
お寺や霊園にお墓を建てる、一般的な墓地です。
遠方でお参りができなかったお墓を、自分たちの管理できる範囲の場所に移動させたいという希望がある場合は、一般墓地を選ぶと良いでしょう。
一般墓所への移動や新しいお墓の設置には、購入費用のほか年間使用料や維持管理費が必要となります。
お墓は、家族が永代に渡って維持管理しなければならないので「墓じまい」という意味では、あまり良い選択肢ではありません。
永代供養墓(5万円~150万円程度)
永代供養墓とは、永代供養料を支払うことで、霊園や墓地の管理者が遺族に代わって供養や管理をしてくれるお墓のことをいいます。
一般墓所と比較して、お墓を維持管理する手間もかからず、費用面でも安いのが特徴です。
先祖代々のお墓というものがなく、お墓の継承者が不要なので、家族にも負担がかかりません。
契約期間が決まっていることも多く、契約期間が過ぎたらご遺骨は合祀されます。
合祀されるとご遺骨を取り出すことは不可能になってしまうことがデメリットといえます。
樹木葬(20万円~80万円程度)
樹木葬は、ご遺骨を自然の中に還元する埋葬方法です。
永代供養で継承者も不要。
特定の墓石はなく、ご遺骨が埋葬されている周辺のシンボルツリーに手をあわせるスタイルです。
費用もあまりかからず、「自然との一体感」を大切にしたい人にとっては、良い選択肢といえるでしょう。
樹木葬について、もう少し詳しく知りたい方は「【様々な納骨方法】樹木葬について紹介」の記事を読んでみてください。
一度埋葬すると場所を特定しづらく、遺骨を取り出せないことがデメリットですので、家族とよく話し合う必要があります。
納骨堂(10万円~150万円程度)
納骨堂には、墓石こそありませんが、スペースを借りて一箇所にご遺骨を収められるというメリットがあります。
ご遺骨を骨壷のまま収められるので、「合祀するのは嫌だけど、管理は簡単にしたい」という人や「先祖のご遺骨も一緒に供養したい」という人に向いています。
納骨堂は、屋内で交通の良い場所にあることが多く、年配の方にも人気です。
一般墓所に比べると費用は抑えられますが、他の埋葬方法に比べるとやや割高感があることは否めません。
散骨(5万円~70万円程度)
粉骨して粉状にした遺骨を、海や山などに撒く供養方法です。
海洋葬の場合は、環境にも配慮して撒く必要があるため、ボートをチャーターする必要があります。
そのほか、ご遺骨を粉状に加工する費用は必要ですが、撒いてしまえばそれっきりなので、家族に必要以上の負担がかかりません。
ただし、ご遺骨が手元に残らないので、残された人たちが寂しい思いをする場合もあります。
手元供養(数百円~50万円程度)
手元供養は、ご遺骨を自宅で供養する方法です。
小さな祭壇を設けて供養するだけでなく、遺骨を入れられるペンダントやご遺骨そのものを加工してダイヤモンドや真珠にする方法などがあります。
手元供養の方法やアイデアは「手元供養とは?分骨からの流れ/費用/注意点まとめ」の記事も参考になりますよ。
故人を身近に感じていたい人には、ぴったりの供養方法でしょう。
ただ、家族や親族の中には、ご遺骨をいつまでも自宅に置いておくことに抵抗を持つ人もいるかもしれません。
まとめ|墓じまい業者「わたしたちの墓じまい」に相談しよう
引用:わたしたちの墓じまい
この記事では、墓じまいに補助金や助成金制度を利用できるのかについて説明しました。
結果的には、墓じまいに関する補助金や助成金制度がある地方公共団体や自治体は、まだまだ数が少ないことがわかります。
まずは、お墓のある自治体に墓じまいで利用できる制度がないか、確認してみてください。
墓じまいの補助金制度がない場合には、なるべく費用を抑えて墓じまいすることを検討しましょう。
いざ墓じまいを始めると、お寺と離檀交渉で揉めたり、墓石の解体・撤去に思いがけない費用がかかることも考えられます。
そんな場合は、墓じまいの経験が豊富な墓じまい業者「わたしたちの墓じまい」に相談するのがおすすめ。
「わたしたちの墓じまい」では、お寺との離檀交渉から再供養先の紹介まで、墓じまいに関することをすべてお手頃価格でお任せできます。
墓じまいはやるべきことが多く、トラブルに巻き込まれる恐れもあるなど、心身ともに負担が大きくなります。
専門業者をうまく利用することで、結果的に費用を抑えることができ、心穏やかに墓じまいができますよ。