終活のひとつとして、生前に自分の葬儀を依頼することを検討する方が増えています。
生前依頼は、葬儀費用を安く抑えられたり、衣装や祭壇なども自由に決められるメリットがあります。
また、残された家族にとっても嬉しいメリットがあり、検討する価値は十分にあります。
しかしメリットをある一方、少なからずトラブルなどのデメリットもあることを頭に入れておかなければなりません。
ここでは葬儀を生前に依頼するメリットやデメリットを解説していきます。
葬儀を生前に依頼できる?
生前に自分の葬儀を決めて依頼することが出来ます。
葬儀会社を決めて、場所や葬儀内容などをあらかじめ決めて、葬儀会社に申し込みをします。
葬儀を行うには、家族に金銭的負担をかけるほか、気持ちの整理が出来ていない中、慌ただしく葬儀の手配などを進めなければいけないという心身的な負担もかけることになります。
そのため、生前に依頼してどのような葬式を行うかのプランを決めておけば、家族にかける
負担が少なくなるし、自分が望む葬儀がしてもらえることになります。
葬儀を生前に依頼すると費用が安くなる?
一般的な葬儀は平均で200万円の費用がかかると言われていますが、生前に依頼することで葬儀そのものの費用を抑えて安く済ませることが出来ます。
また、まだ元気なうちに自分の葬式を依頼することで、宗教観や死生観がはっきりして、こんな葬儀にしたいと思っている人など、個人の希望や諸事情などであまり他人に気を使わせたくない人に向いています。
葬儀を生前に依頼することや考えることで、自分の人生を振り返るきっかけにもなりますし、どういった葬儀にしたいのかハッキリするので、余生をよりよく生きるための「終活」にもなります。
葬儀を生前に依頼する流れ
葬儀を生前に依頼するにはどうのような流れで契約すればいいのでしょうか。
詳しい流れは以下のようになります。
1.希望する葬儀内容を打ち合わせして見積もりを確認する
葬儀を生前に依頼できる葬儀会社と、葬儀の内容の打ち合わせを行って、葬儀料金の見積もりを出してもらいます。
その際、葬儀には誰を呼んで欲しいのかや、花はこんな感じで飾ってほしい、明るい音楽をかけて笑顔で送ってほしいといった本人の希望を直接相談することが出来るのが、一般的な葬儀と大きく違ってくる部分になります。
葬儀までの時間の余裕はあるので、内容をしっかりと考えることも出来るし、複数の葬儀会社と比較し検討することも出来るようになります。
2.入会または契約をする
納得できる葬儀の内容や費用が決まれば、生前に予約の入会や契約を進めます。
葬儀会社によって変わってきますが、入会金のみの会員制度や、月々の互助会方式などがあり、入会で主な費用面でのメリットを受けられます。
葬儀内容の変更や解約は葬儀を行う前なら、いつでも可能となっています。
(※しかし葬儀会社によっては、解約する際に解約手数料がかかる場合もあるので注意が必要です。)
3.費用を支払う
葬儀を生前に予約する際の葬儀費用の支払い方法には、3つのパターンがあります。
・予約の時に葬儀費用を前払いする。
・葬儀の後に葬儀費用を後払いする。
・信託会社(互助会)に預けて、葬儀の後に預けたお金で葬儀費用を清算してもらう。
互助会方式は、いずれやってくる結婚式や、お葬式などに備えて、会費を積み立てていくシステムで、わずかな額を月々の掛け金として一定期間払うことで、実際の葬儀を行う時に積立金を葬儀費用の一部として充てるというものです。
契約の後に葬儀費用を前払いする場合は、葬儀会社の倒産などのリスクが絶対ないとは言い切れませんので、その辺も頭に入れておいてくださいね。
実際に葬儀費用を生前に受け取る葬儀会社も少なくないようです。
後払いする方法か、信託会社(互助会)を利用する方法が安心と言えそうですね。
本格的に契約する前に、どのような支払い方法が可能なのか、しっかり確認して、しっかり検討したうえで契約するようにしましょう。
葬儀を生前に依頼する4つのメリット
葬儀を生前に依頼することでどのようなメリットがあるのでしょうか。
葬儀を生前に依頼する4つのメリットをご紹介します!
葬儀のことを落ち着いて、ゆっくり考えることが出来る
自分にもしものことがあった時に、葬儀に誰を招くか、どのような内容の葬儀にしたいか、予算はどれくらいがいいのかなど、希望は人それぞれだと思います。
そこで自分が生きているうちに葬儀を依頼すれば、元気なうちにじっくりと考えることが出来るためよりよい葬儀に出来ます。
どのような葬儀を希望するかは、終活のひとつであるエンディングノートに書き留めておいて、家族に伝えることも出来ます。
葬儀費用が安くなることも…
葬儀を生前予約することや前払いをすることを条件として、通常よりも割安なプランで申し込める場合があります。
見積もりを提示してもらって内容や規模を検討し直したり、複数の葬儀会社を比較して検討することも出来るため、葬儀費用を抑えられる可能性も高くなります。
遺族の負担を減らすことが出来る
いざという時になって、慌ててお金を用意できる人ばかりではないかも知れません。
そのため、生前に葬儀を依頼することで、葬儀にかかる費用をあらかじめ支払ったり、いくらかかるかわかるため、葬儀費用を事前に別で取っておくことも出来ます。
お金の負担を減らすだけで、葬儀を執り行う家族の体力的や精神的な負担も軽減することになります。
葬儀について考えることで、余生を考えることにもつながる
自分の葬儀を真剣に考えることで、自分の人生の終わりを意識したり、残りの人生を考えるきっかけにもなります。
自分の残りの人生を悔いが残らないように、これからの時間を有意義に楽しんで生きようと、前向きな考えになれるでしょう。
葬儀を生前に依頼する時の3つのデメリット
葬儀を生前に依頼するには、思わぬ注意点があることも知っておく必要があります。
葬儀は一度きりのものでやり直しがききません。
葬儀料金は大きな金額になるので、デメリットもしっかり知ったうえで、慎重に検討するようにしましょう。
ここでは葬儀を生前に依頼するデメリットを3つご紹介します!
途中で解約した場合、解約手数料がかかる場合も…
途中で気が変わったり、他の葬儀会社に変更する場合に解約した場合や、故人が亡くなったのに葬儀が出来ない場合、家族が生前に葬儀を依頼していることを知らずに別の葬儀会社で葬儀を行ってしまった場合などの理由で、葬儀を行わずに契約を解約した場合、解約手数料がかかる場合があります。
葬儀を前払いする時は葬儀会社の倒産などのトラブルに注意!
葬儀を生前に依頼することは、最近新しく広まってきているサービスです。
そのため、まだ法的な規制や整備がはっきりと定まっていない分野になるので、トラブルが起こりやすくなります。
特に費用の問題は、トラブルになりやすいです。
葬儀の後に思わぬ追加料金を徴収されたり、前払いの後に葬儀会社の倒産などのリスクも絶対にないとは言い切れません。
しっかりと契約書の内容を確認したり、契約書を大切に保管をするようにしましょう。
一回だけ少額の金額を払えば入会できる会員制度は、一番リスクが少ない支払い方法だと言えます。
家族や親族の理解がないとトラブルのきっかけになる
故人が亡くなった後に、実際に葬儀を行うのは遺族になります。
いくら自分の葬儀だと言っても、葬儀の内容や葬儀会社、生前に依頼することなどは家族や親族に伝えて、理解を得ておきましょう。
葬儀を生前に依頼する時はしっかり検討して契約しよう!
葬儀を生前に依頼する人は、終活の増加とともに近年すこしずつ増えてきています。
自分の希望する葬儀の形や内容を直接相談して、故人の希望に近付けた葬儀を行うことが可能になります。
また、時間に余裕があるため、葬儀の内容や費用についてもじっくりと検討することが出来て、残された家族の体力的や経済的な負担も軽減することができるのもメリットですよね。
ただし、自分の葬儀とはいえ生前に依頼することや希望の内容などについては、事前に家族や親族に伝えたり、エンディングノートにしっかり書いてちゃんと伝わるようにしておかないと、トラブルの元にもなってしまうので注意が必要です。
また、葬儀の費用を前払いする場合は葬儀の思わぬ追加費用や、葬儀会社の倒産などのリスクなども頭に入れておいてください。
できるだけ後払いが出来たり、信託会社(互助会)を利用する支払い方法を選択できる葬儀会社を選べると安心ですね。