お墓参りに行く場合の持ち物まとめ


子どもの頃から家族で当たり前のように行っていたお墓参りですが、いざ大人になってからお墓参りに行く場合、何を持っていけばいいか不安になってしまうこともあるのではないでしょうか。
身内のお墓参りならまだしも、友人知人や、配偶者の親族のお墓参りの場合は、必要な道具などをきちんと準備して万全の態勢で行きたいものです。
ここでは、お墓参りに必要な持ち物、あると便利なもの、お墓参りにタブーなものなどについて詳しくご紹介していきます。
 
 

■お墓参りの持ち物

〇お参りに必要なもの

お線香

バラさず束のまま持っていきます。

ろうそく

最近故人の好きだった飲み物の形になったろうそくなどが売られていますが、ガラス容器などに入ったものは、落ちた際に墓石を傷つけてしまうため注意が必要です。
また、そのまま置いて帰らないようにしましょう。

マッチやライター

風が強くても風よけがついたライターだとスムーズに付けることができます。

お供え物

季節の果物や故人の好物などをお供えしましょう。また、カラスなどに荒らされないよう、お参り後は持ち帰りましょう。

下に敷く半紙

お供え物を直接置かないようにするためのものです。三角に折り、折り目が奥になるように敷きます。

供花

2つの供花を対になるように飾ります。仏花としてまとめられているものじゃない場合、本数は奇数になるようにします。
既に花が供えられている場合、横に供えてくる人もいますが、こまめに管理されているお墓じゃないかぎり放置すると腐ったり枯れてあちこちに散らばったりしてしまいますので避けましょう。
また、棘のある花や匂いの強い花、花粉が落ちる花は持って行かないようにしましょう。

数珠

数珠は正式な法要時以外、絶対に必要というわけではありませんが、邪気を払って功徳を授けてくれますので普段から持つようにしておくといいでしょう。

新聞紙

線香に火が付きにくい場合、新聞紙があると便利です。
 

〇お墓掃除に必要なもの

軍手

雑草などをむしる場合、軍手があると手が汚れず便利です。

ほうき

落ち葉やゴミなどが落ちている場合掃き出します。

雑巾

水拭き用と、仕上げの乾拭き用があるといいです。

ゴミ袋

掃除やお参り後に出たゴミを持ち帰るために使います。ゴミ捨て場がある場合は不要です。

バケツ

掃除用の水を入れるために使います。柄杓や手桶が借りられる場合はバケツがなくても大丈夫です。

たわし(金属たわしじゃないもの)やスポンジ

墓石のコケや汚れを磨き落とします。墓石を傷つける恐れがあるので、金属たわしは絶対に避け、持ち手付きブラシなどもおすすめです。

歯ブラシ

歯ブラシは墓石のつなぎ目や、刻字部分など隅々きれいにすることができるので便利です。

お墓の周りに雑草が生えている場合、あると便利です。

ペットボトルに入った水

墓地や霊園で水が汲めない場合、掃除に使います。
 
 

■お墓に供えるものの意味


お供え物の基本は「五供(ごく)」と言われます。香・明かり・花・水・食べ物の5つの要素です。また、六波羅蜜の修行にもつながります。
 

線香(香)

亡くなった人は食べ物を食べず、香りを食べるという教えがあり、線香の香りが食事になると言われています。
また、線香の煙は邪気を払い、不浄を清める意味があります。
その香りがあちこちに広がることと、一度火を灯すと燃え尽きるまで香りを放つことから、六波羅蜜の「精進」と「持戒」を意味する、とも言われています。
精進は、目標に向かってただひたすら進んでいくという修行、持戒は戒律を守って己を律する修行です。
 

ろうそくの灯(灯燭)

首都圏ではあまり見られませんが、お墓参りの際にろうそくを立てる地域は多くあります。
これは六波羅蜜の「智慧」を意味し、煩悩の暗闇を明るく照らす仏の智慧を表しています。
また、火を灯すことで周囲の不浄を清め、お参りに来た人の顔を照らすことで、ご先祖様に姿を見せる意味もあります。
 

供花・仏花(花)

お墓に花を供えるのは、仏様に美しい花をお供えして、お飾りするという意味があります。自然に咲いている花は美しく、人の心を鎮めて邪悪な気持ちを清めてくれます。さらに、仏の慈悲を表しているともいわれます。
また、お供えする人の修行ともされる六波羅蜜の中の「忍辱(にんにく)」の意味が込められています。忍辱は、悲しみや苦しみに耐え、怒りを持たず、常に感謝の心を持つという修行です。
 

お供え物(飲食)

六波羅蜜の「禅定」を意味します。心を静かにして落ち着かせるという修行です。
空腹を満たすだけではなく、心身を養うための薬とするという意味があります。
 

かけ水(浄水)

六波羅蜜の「布施」にあたります。
死後の餓鬼道にいるかもしれないご先祖様へ水を施し与えるという意味があります。また、不浄を清める意味もあるため、お墓を洗い流すことで故人の霊を清めるともされています。
お墓に水をかけるのは、宗派や地域などにより失礼と考えられる場合もありますので、心配な場合は確認しましょう。
墓石に水をかけて不浄を洗い流して清めます。
 
 

■仏教以外のお墓参りの持ち物

神道やキリスト教の場合でも、お墓を掃除する道具はほぼ同じです。
 

〇神道の場合

榊・お神酒・塩・お水・お米をお供えします。線香は供えません。

〇キリスト教の場合

白い花のみをお供えします。線香はこちらも供えません。
 
 

■手を合わせるだけでご先祖様は喜んでくれる


何かのついでにお墓参りをする「ついで参り」はよくないと言われていますが、たとえ手ぶらであってもお参りに来てくれることをご先祖様や故人は喜んでいます。
マナーや持ち物も大切ですが、どういう気持ちでお参りをするかが大切です。
また、暗い気持ちのままでお参りをするとよくないとも言われています。お墓参りをする時は、明るい気持ちで拝みましょう。