【様々な納骨方法】樹木葬について紹介

最近では、テレビや雑誌で終活の情報が取り上げられる機会が増え、様々な情報を得ることができます。
そして、納骨の方法が多様化しており、その中に樹木葬というものがあります。
言葉から、”自然志向で自由な”という漠然としてイメージはつくものの、
詳しい内容はわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな樹木葬について注目してご紹介いたします。

樹木葬とは

岩手県にある祥雲寺で、はじめて行われた自然葬の1つのかたちで
墓石かわりに樹木をシンボルとしてお骨を埋葬する供養方法の一つです。
自然へ還ることができるとして、選ばれる方が増えており
それに伴って、樹木葬区画を設置する民間霊園も増え始めました。

種類

墓石の代わりに樹木を植えたり、樹木の周りにご遺骨を埋葬したり、
樹木葬は3種類のかたちがあります。

里山型

都市部から離れた山や林など、広い場所での埋葬で墓石の代わりに樹木を植えます。
より自然に近い樹木葬のかたちで、上記で紹介した祥雲寺の樹木葬もこの里山型でした。

都市型

目印となるシンボルツリーなど、樹木の周りにご遺骨を埋葬します。
ひとりに対して1本樹木を植える場合と、1本の樹木を植えた区画に複数のご遺骨を埋葬する場合があります。
土地の広さに制限がある都市部で多くみられます。
そのため、1本の樹木を植えた区画に複数のご遺骨を埋葬することがほとんどです。

ガーデニング型

霊園や納骨堂内の植物に囲まれた場所にご遺骨を埋葬します。

特徴・メリット

お墓の後継ぎや管理の心配がいらない個人供養

一般的な墓石は代々継承するものですが、
樹木葬は、後継ぎを必要としない永代供養です。
一般の永代供養などと同じように、霊園・墓地側が管理を行ってくれます。
お墓探しの際には、同じ永代供養の納骨堂や合祀墓と比較して検討するとよいかもしれません。

墓石建立に比べ、費用を抑えられる

樹木葬は、コンパクトかつシンプルなかたちのお墓です。
小さなスペースで大丈夫なため、墓石を新しく購入するのに比べて
費用を抑えることができます。

お参りをすることができる

考え方がお墓の形態に近いため、海洋散骨に比べて
特定の場所にお参りすることが可能です。

親族にとって受け入れやすい

新しい埋葬のかたちではありますが、自然回帰の考え方とも相まって
親族にも理解されやすい埋葬方法です。
また、宗旨・宗派を問わないので選択されやすくなっています。

埋葬方法

樹木葬は、ご遺骨を自然の中に撒く散骨とは違います。
遺骨の埋葬については、「墓地、埋葬に関する法律」という法律によって定められているので
好き勝手に自宅の庭や近くの山などへ埋葬することはできません。
墓地であると認可を受けた場所にしかお骨を埋葬することができないので、
樹木葬もこの考え方に従い、認可を受けた霊園や寺院の墓地で埋葬を行います。
樹木葬によって、埋葬方法は異なるため説明を聞いた上で選択しましょう。

合祀タイプ

骨壷からごい骨を取り出し、大きな共同の納骨エリアで埋葬される方法です。
同じエリアが他の方に使われないということが約束されないことが多く、
埋葬した場所がわかるようにプレートを置いたり、目印をつけるところもあります。

共同埋葬タイプ

ご遺骨をひとつの大きなスペースに埋葬します。
ご遺骨は骨壷や骨袋などに入った状態なので、他人の遺骨と一緒になることはありません。
都市型の樹木葬はこのタイプが多くみられます。

個別埋葬タイプ

1本の木や花を植え、それをシンボルとしてご遺骨を埋葬するタイプです。
樹木の指定や、同じ木の近くに複数名埋葬できることが多く、
里山型の樹木葬はこのタイプが多くみられます。

費用

墓石の一般的な購入価格は150万円前後といわれていますが、
樹木葬は墓石よりも安価な価格で行える点で選ばれる方も多いです。
樹木葬の相場はおおよそ10万~80万円で、費用の内訳は墓地によって異なりますが、
埋葬時の費用の内訳は永代使用料(土地代)と永代供養料、納骨費などがあり、
年間管理費が必要であれば、これらの費用に加わります。
費用の例としては
・1区画に2名までで35万円。
・1区画が80万円で家族なら何名でも埋葬可。
・1区画の1人目が70万円で、2人目以降は1人あたり40万円。
・1区画に1本の樹木葬で50万円。
などと、墓地や埋葬方法によって異なります。
埋葬方法で比べてみると、共同埋葬タイプや個別埋葬タイプは
それなりの土地が必要になるため、合祀タイプのほうが相場が安くなります。

申込み・埋葬の流れ

申込み

1、樹木葬の情報収集
2、現地見学
3、契約・入金
4、使用許可証の交付

埋葬

1、役所に死亡届を提出
2、ご遺体を火葬する
3、樹木葬の管理者に埋葬許可証を提出
※埋葬許可証は、火葬場から発行してもらいます。

注意点

埋葬は認可された霊園・寺院の墓地のみで行えるものです。
樹木葬を選択される場合も、墓石を使った埋葬方法と同様に、
法的に許可を得た場所に埋葬する必要があります。
また、埋葬の際には埋葬許可証が必要となるので、
必要な手続きをきちんと把握しておきましょう。
また、合祀タイプの樹木葬では相場が安くなるとご紹介しましたが、
後で遺骨を取り出すことができませんので注意が必要です。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
樹木葬について特徴やメリットをご紹介しました。
まだまだ世間に認知が広がっておらず、聞きなじみのない言葉で
きちんとした知識をもっていない方がほとんどです。
そのため故人が樹木葬を望んでいたとしても、
ご家族や親族とトラブルになるケースもあります。
しっかりとした知識をつけ、周囲のご家族の理解を得てから
お墓選びを進めていくことが大事です。